『博多から対馬への移動、飛行機か夜行フェリーか?』迷うところですが、私は今回、深夜便のフェリーを選んでみました。
正直「夜中の船で4時間半も大丈夫かな・・・」と不安でしたが、結論から言うと大正解!
夜行フェリーならではの魅力がたくさんありました。
到着後に朝イチから対馬を満喫できるし、何といってもホテル代金が高騰する中、宿泊費が浮いたのは大きかったです。
この記事では、旅のプロ(元CA・国内旅行業務取扱管理者)の私が実際に深夜便に乗ってみて分かったリアルな船内の様子や過ごし方、「こうすればよかった!」という反省点まで正直にお伝えします。
対馬までフェリーに乗ろうか気になっている方の参考になれば嬉しいです。
博多から対馬フェリー乗船記
深夜0時30分出発の博多から対馬のフェリー。
旅のプロとして様々な移動手段を見てきましたが、実際に乗ってみて分かったのは、公式サイトには載っていない「リアルな体験」がたくさんあるということでした。
事前準備から乗船、そして翌朝の対馬到着まで、時系列で正直な感想をお伝えします。
特に深夜便ならではの注意点や、30年選手の船ならではの「味」について、包み隠さずレポートしていきますね!
乗船当日の流れ

深夜0時30分出発の準備は意外と大変。
日付が変わった0時30分出発ということで、実質的には前日の夜から行動開始です。
フェリーには大浴場がないので、事前に博多ふ頭にある温泉施設でお風呂を済ませることに。深夜出発だからこそ、体をさっぱりさせてから乗船したかったんです。
博多港ターミナルは深夜でも意外と賑やか。
お風呂を済ませて博多港ターミナルに向かうと、すでに多くの人がロビーで待機していました。
時刻は夜中なのに、この人の多さにまず驚き。
観光客らしい人もいましたが、明らかに乗り慣れている地元の方や仕事で対馬に向かう人の方が多い印象でした。

ここで気づいたのが、荷物で場所取りをしている人たちの存在。
良いポジションを確保するために、かなり早い時間から列を作って待っているようでした。
年季の入った「フェリーちくし」に乗船。
正直、かなり年季が入った船でした。新しいピカピカの船を想像していたので、第一印象は「あ、昭和感がすごい」という感じ。
でも、これはこれで旅情があっていいかもと思い直しました。
今回は1等席を予約していたので、2等の雑魚寝エリアを横目に1等席エリアへ。
深夜便で快適に過ごしたかったので、少し奮発した判断でした。
船内設備の実際の使い心地

1994年就航のフェリーちくしは、正真正銘の30年選手。
エントランスからして昭和レトロな雰囲気が漂っていました。
船内は等級によって明確にエリア分けされていて、2等自由席が1階、2等指定席が2階後方、1等が2階前方と3階という構造です。
私が選んだ1等客室は、座席指定ではなく早い者勝ちシステム。
予約時に「4人部屋なので相部屋になる可能性があります」と言われ、出航までずっとドキドキしていました。
客室にはそれぞれ名前が付いていて、私が使った部屋は「左京鼻」。壱岐の地名ですね。
部屋は4人まで横になれるサイズで、枕と毛布が用意されていました。
広めの部屋だと8人くらい寝られそうな大きさです。
ただし、床はカーペット敷きなので正直ちょっと体が痛かったのが本音。畳や布団に慣れている身には、硬さが気になりました。
お部屋にはテレビもあるし、照明もお部屋ごとに調整できるのもよかったです。
1等客室の乗客専用のスカイラウンジが最上階にあるんですが、ここが穴場でした。
変わった形の部屋にソファが配置されていて、横になれるソファは全部先客に占領されていました。
なるほど、1等室の床が痛いから、こちらで寝る人が多いんですね。これは知る人ぞ知る快眠スポットかもしれません。
ラウンジからは展望甲板にも出られるので、夜風に当たりながら海を眺めることもできました。
船内での過ごし方
船内にはレストランや売店はありません。自動販売機とゲーム機があるだけなので、飲み物や軽食は事前に準備しておくのが賢明です。
深夜便なので大半の時間は寝て過ごすことになりますが、眠れない時間をどう過ごすかが重要でした。
1等室には窓があるので、そこから夜の海や途中停泊する壱岐の様子を眺めることができました。
深夜の静かな海って、思っていた以上に美しいんです。
対馬には夜明け前に到着しますが、すぐに下船するか、朝7時まで船内で休むかを選べます。
ただし、1回目の下船後は連絡橋が切り離されるので、外には出られなくなります。
フェリーの到着時間に合わせてくれるレンタカー屋さんもあるので、早朝から対馬観光をスタートしたい人にはありがたいサービスです。
航海中の印象的な出来事
出航してしばらくは、船内の静けさに驚きました。昼間の便とは違って、深夜便は皆さん早めに休む準備に入るんですね。
ただ、海の状況によっては結構揺れます。
私が乗った日はそれほどでもありませんでしたが、船酔いしやすい人は酔い止めを準備しておいた方が良さそうです。
途中で壱岐に寄港するのですが、深夜の港に静かに入港する様子が印象的でした。
真っ暗な海にぽつんと浮かぶ港の灯りが、なんとも幻想的。
壱岐で何人かの乗客が乗り降りしていましたが、地元の人の生活の足として使われているんだなと実感しました。
夜明け前に対馬の厳原港に到着するのですが、徐々に明るくなる空と海、そして対馬の山々が見えてくる瞬間は本当に美しかったです。
4時間半の船旅の締めくくりとして、これ以上ない演出でした。
率直な感想とアドバイス
正直、「深夜の古い船で4時間半」と聞くと不安でしたが、実際は思っていたより快適でした。
確かに設備は新しくないし、床も硬いですが、それを補って余りある「旅している感」がありました。
次回乗るとしたら変えたいこと
- もっと厚手のクッションを持参する(床の硬さ対策)
- スカイラウンジのソファ確保を狙う(早めの乗船必須)
こんな人に博多から対馬のフェリーは向いている
- 旅の過程も楽しみたい人
- 朝イチから対馬を満喫したい人
- 宿泊費を節約したい人
- レトロな雰囲気が好きな人
こんな人に博多から対馬のフェリーは向いていない
- 快適性を最重視する人
- 船酔いしやすい人
- 時間を短縮したい人
- 新しい設備でないと嫌な人
この記事のまとめ
正直言って、また乗りたいです。 飛行機の1時間では味わえない、ゆっくりとした時間の流れと海の上での特別感。
これは体験してみないと分からない魅力だと思います。
対馬旅行の前夜から既に旅が始まっている、そんな気分にさせてくれる素敵な移動手段でした。