NHK連続ドラマ『ばけばけ』を見て
「この景色はどこで撮影されたの?」
「小泉八雲は実際にどんな場所を歩いたの?」
「怪談の舞台になった場所は、今も行けるの?」
そんなふうに、画面の向こうの世界を自分の足でたどってみたいと思った方も多いのでないでしょうか。
この記事では、『ばけばけ』のロケ地・撮影場所をシーン別に整理し初めて巡る人でも迷いにくいように、見どころ、おすすめの巡り方までまとめています。
ぜひ聖地巡礼の参考にしてみてくださいね。
目次
ばけばけのロケ地はどこ?【撮影場所まとめ】
小泉八雲旧居

小泉八雲旧居は、ドラマ『ばけばけ』のオープニングや劇中に何度も登場する、物語の世界観を象徴するロケ地です。
八雲とセツが実婚後に最初に暮らした家で、城北のお濠端に佇む武家屋敷。
縁側から庭を眺めたときの目線や、部屋と庭のほどよい距離感からは、画面以上に「暮らしの空気」が伝わってきます。
9畳の居間には、八雲が執筆に使った机と椅子が再現され、三方に日本庭園を望む造りで、八雲はよく浴衣と庭下駄で散歩しました。

八雲がとりわけ愛したこの庭は、名作『知られぬ日本の面影』の一編「日本の庭にて」が生まれた場所でもあり、オープニングのタイトルバック映像の冒頭にも登場します。
庭にはドラマに登場したしゃちほこの像も置かれており、ファンなら思わず足を止めたくなるポイント。
実際に訪れると、音の少ない静かな時間が流れ、縁側から庭を眺めるひとときは、聖地巡礼ならではの特別な体験になります。
庭には蛇にまつわる逸話が伝えられており、池に蛇が現れた際、八雲が石の上に肉を置いてあげたという話も残されています。
写真撮影が可能で、人が少ない時間を狙うなら平日の午前中がおすすめです。
なお、旧居の隣には小泉八雲記念館があり、直筆原稿や愛用品、夫妻にまつわる資料が展示されています。『ばけばけ』の世界観をより深く味わうなら、旧居とあわせての見学がおすすめです。
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月照寺

月照寺は、松江藩主・松平家の菩提寺であり、『ばけばけ』のオープニングや劇中にも登場する代表的なロケ地です。
苔むした石段や無数の石灯籠が並ぶ境内は、うっそうとした森に包まれ、静かな時間が流れています。
小泉八雲もたびたび訪れ、著作の中で歴代藩主の廟所が持つ歴史的重みや、先祖を敬う心に深い感銘を受けたと記しています。
六代藩主ゆかりの大亀伝説も有名ですが、訪問時は工事中で亀の背後がビニールシートに覆われていました。
時間があれば、初代から九代までの藩主の廟を、ゆっくり巡りたかったと感じる場所でした。
宇賀橋

宇賀橋は、松江城の北側、内堀に架かる木造橋で、『ばけばけ』のオープニングに登場する印象的なロケ地です。
城山の深い緑と濠の水面がつくる穏やかな風景は、城下町・松江らしい静かな時間の流れを感じさせます。
現在の橋は昭和48年に架け替えられたものですが、違和感なく周囲の景観に溶け込んでいます。
実際に訪れてみると、ドラマと同じアングルで撮影するには、堀沿いに立つ松の木越しに構図を取るのがおすすめでした。
小泉八雲旧居から徒歩で行ける距離にあり、城北エリア散策の途中に立ち寄りやすいスポットです。
宍道湖

宍道湖は、松江市を代表する景勝地で、日本一のしじみの産地として知られています。
『ばけばけ』では主人公トキがしじみ売りをしており、ヘブン先生から「しじみさん」と呼ばれる象徴的な存在として描かれました。
また、日本で7番目に大きい汽水湖で、『日本の夕陽百選』にも選ばれるほど夕景の美しさで有名です。
2025年最後の放送では、トキとヘブン先生が湖畔を散歩するシーンの舞台にもなりました。
実際に訪れると、言葉を失うほどの景色が広がり、夕日が嫁ヶ島とともに湖へ沈んでいく光景は圧巻でした。
湖畔には歩道や腰掛けて夕日を眺められるテラスが整備されており、ゆっくりと景色を味わえる場所です。
八重垣神社(鏡の池)

八重垣神社は、『ばけばけ』のロケが最初に行われた場所で、境内奥にある鏡の池の縁占いがドラマでも登場していました。
この神社では夫婦円満や量縁結びにご利益があるとされています。
この鏡の池の縁占いは、占い用紙を池に浮かべ、硬貨をのせて沈む時間や場所で縁を占う方法は、古くから伝わるものです。
実際に社務所で用紙を購入し、鏡の池まで足を運ぶと、境内の賑わいとは対照的に奥はとても静かでした。
硬貨を浮かべてから約5分ほどで沈みましたが、池の奥まで進む人はほぼいませんでした。
縁占いの紙が遠くへ流れてなかなか沈まないおトキちゃんが、ずっと沈むのを待っているシーンが蘇ってきました。
聖地巡礼だけでなく観光スポットとして必ず行っておきたい場所です。
城山稲荷神社

城山稲荷神社は、松江城山の中腹に鎮座し、『ばけばけ』のオープニングで祠の前に立つ一瞬が使われた印象的なロケ地です。
小泉八雲は城山の散策を日課とし、通勤途中にこの神社へ足繁く通っていたと伝えられています。
当時は数千体もの石狐が並び、八雲はその光景に日本の神秘性を感じていたそうです。
ドラマの中では、ヘブン先生がリヨさんをそっちのけにして、夢中になってきつねを見ていたシーンが印象的でした。
現在も境内には多くの石狐が残り、「玉を持つ狐を見つけると願いが叶う」と言われていますが、実際に探してみたものの私は見つけることができませんでした。
それでも静かな境内に佇む狐たちからは、物語の余韻を十分に感じられます。
小泉八雲旧居から松江城へ向かう途中に立ち寄れるのも魅力です。
稲佐の浜

稲佐の浜は、1891年の夏に小泉八雲が妻セツや友人の西田千太郎とともに訪れ、半月ほど滞在した思い出深い場所です。
海を愛した八雲はここで海水浴を楽しみ、大国主命の国譲り神話ゆかりの神聖な地として紹介しています。
また、浜で目にした精霊船の美しさにも心を打たれたと記しています。
美しい弧を描く海岸線は「日本の渚百選」にも選ばれています。『ばけばけ』では、ヘブン先生がトキを出雲へ呼び寄せ、再会する印象的な場面で登場しました。
浜の砂は出雲大社の砂と交換でき、距離も約1kmと近く、あわせて訪れやすい場所です。
結婚を誓う場所:出雲大社

1890年、小泉八雲は外国人として初めて、出雲(杵築)大社の本殿への昇殿を許されました。
本殿は特別な許可がなければ、日本人であっても立ち入ることができない神聖な場所です。
八雲は当時の宮司であった千家尊紀の案内により、本殿内部や宝物、神火をおこす様子まで見学しました。
厳かな境内の空気や、神官たちの衣裳や所作、古代から連綿と続く祭祀に触れた体験は、八雲にとって強い衝撃だったようで、日本人の精神や魂の奥深さに触れた感動を記しています。
小泉八雲が実際に訪れた場所は?【ドラマのモデル】
美保関

美保関は、小泉八雲が三度訪れた港町で、卵にまつわる茶目っ気ある逸話が残る場所です。
卵好きの八雲は、美保神社の神様は鶏嫌いで鶏がタブーと聞きながら、平然と卵を注文したところ「アヒルの卵ならあります」と出された話を紹介しています。
美保湾越しに大山を望む穏やかな景色を八雲はことのほか愛し、セツと滞在した旅館「島や」の跡地は現在、小泉八雲公園として整備されています。
松江から車で約1時間の距離にあり、出雲大社と美保神社を参拝する「両参り」は、縁結びのご利益が高まるとされ、古くから親しまれてきました。
松江大橋

松江大橋は、城下町の東西を結ぶ重要な橋で、源助柱伝説が今も語り継がれる場所です。
『ばけばけ』ではオープンセットで撮影されていますが、実際の松江大橋もロケ地巡りでは外せないスポットです。
劇中でトキが手を合わせていた源助柱の伝説は、小泉八雲の著書『知られざる日本の面影』にも描かれています。
慶長13年、初代松江大橋の建設工事が難航した際、源助という男が人柱となりました。
その朝、妻に勧められた二杯目のお茶を断ったことが運命を分けたとされ、この話から松江では「お茶を二服飲む」風習が生まれたと伝えられています。

橋のそばには源助柱記念碑もあり、町の記憶を今に伝えています。
日御碕

日御碕は、断崖と日本海の景色が広がる地で、セツが八雲の好きな場所として松江や美保関と並べて挙げていた場所です。
出雲大社参拝の折、セツとともに稲佐の浜から漁船で向かい、岩礁の間を縫うように進んで日御碕神社に到着しました。
宮司にもてなされ、この地で八雲は初めてもずくを口にしたと伝えられています。
青空に映える朱塗りの楼門が印象的な日御碕神社は、下の宮に天照大神、上の宮に須佐之男命を祀り、日本の昼と夜を守る神社として信仰を集めています。
八雲が愛した景色と神話の世界を同時に感じられる場所です。
富田旅館跡

富田旅館跡は、小泉八雲とセツの出会いへとつながる、松江での最初の住まいの跡地です。
『ばけばけ』でヘブン先生が宿泊する花田旅館は、大橋川沿いにかつて実在した富田旅館をモデルにしています。
富田旅館は現存していませんが、その系譜を引く「大橋館」が現在も営業しており、松江大橋の近く、川の対岸から眺めると劇中の情景と重なる場所です。
八雲は松江到着後、この旅館に約3か月滞在し、その後宍道湖近くの住まいへ移りました。
初めて迎えた豪雪の冬に体調を崩した八雲の世話をするため、1891年初めに紹介されたのがセツであり、ここから二人の運命が動き始めました。
尋常中学校跡

尋常中学校跡は、小泉八雲が島根県尋常中学校と師範学校で英語教師として教鞭をとり、「ヘルン先生」と親しまれた教育の場です。
八雲は西洋的な価値観を押しつけることなく、生徒一人ひとりに愛情をもって接し、周囲から深い信頼を得ていました。
松江を去る際には、この地で常に人々の優しさと温かさに包まれていたことを、感動を込めて記しています。
現在、跡地には警察署が建ち、当時の面影は残っていませんが、実際に立ってみると、旅館からこの道を通って出勤していたのだろうかと、八雲の日常に思いを巡らせる場所でした。
山口薬局

山口薬局は、小泉八雲が毎晩の楽しみとしてビールを買い求めていた店で、当時の松江で唯一ビールを扱っていた橘泉堂山口卯兵衛商店です。
八雲は和菓子をつまみにビールを飲む時間を大切にしていたと伝えられています。
1772年創業の老舗で、現在の建物は明治時代中期に建てられた歴史的建造物。
店内には薬箪笥や古い薬瓶、ガラス製品が並び、まちかど博物館としても見学できます。
訪れた際は閉店していましたが、富田旅館跡からすぐ近くにあるため、営業時間を確認して立ち寄るのがおすすめです。
怪談の舞台になった場所は?【物語の聖地】
清光院

清光院は、松江でもよく知られる怪談「松風」の舞台で、『ばけばけ』でも印象的に描かれた場所です。
相撲力士と恋に落ちた芸者・松風が、横恋慕した侍に追われ、石段を必死に逃げた末に命尽きたという哀しい物語が伝わっています。
実際に訪れると、急な階段や境内の静けさから、松風の恐怖と無念が生々しく想像されました。ドラマでトキが何も知らずに階段を上る場面や、つまずいた際の自然なリアクションも印象的で、怪談の「怖さ」だけでなく「寂しさ」が際立ちます。
その場に立つことで、松風の怪談がより鮮明に感じられる時間でした。
なお、『ばけばけ』で清光院の怪談「松風」が描かれたシーンは、実際の撮影は松江の清光院ではなく、滋賀県大津市にある安楽律院で行われています。
ただし物語の舞台設定や怪談の由来は松江の清光院であり、現地を訪れることで、ドラマの背景となった怪談の空気や余韻をより深く感じることができます。
普門院

普門院は、水の都・松江市の水路沿いに佇む寺院で、四季折々の風景を楽しめる静かな場所です。
境内にある松江市指定文化財の観月庵は、小泉八雲が茶の手ほどきを受けたことでも知られています。
普門院は堀尾吉晴が松江城の祈願所として開山し、後に松平不昧公が月を眺めることを愛した茶室でもありました。
八雲の怪談「小豆とぎ橋」は、この寺の近くに実在した橋を舞台にしたとされ、劇中では別の場所で撮影されていますが、物語の背景はこの周辺にあります。

寺院の入り口にある門の天井を見上げると、いつの頃からか「幽霊の手形と足跡」が浮かび上がっています。
写真をよーく見ると手跡が3つ足跡が1つあり、大きさは10cm程度で子どものような手と足の跡のように見えます。
地域では「小豆とぎ橋の女の霊が残したもの」との噂もあり、今も恐る恐るその跡を見に訪れる人が絶えません。
大雄寺(モデルの飴屋:桂月堂)

大雄寺は、小泉八雲が「母の愛は死よりも強し」と紹介した怪談「飴を買う女」の舞台として知られる寺院です。
この怪談では、夜な夜な水あめを買いに来る女の正体が、亡くなった母親の幽霊であったことが明かされます。

当時、松江で唯一飴を売っていた店は「因幡屋」と呼ばれ、大雄寺の近くにあったことから、物語に登場する飴屋のモデルと考えられています。
その後、店は姿を変え、現在は老舗和菓子店の桂月堂として受け継がれています。
大雄寺は松江開府の際に移転した由緒ある寺で、怪談の恐ろしさよりも、母の深い愛情が胸に残る場所です。
ばけばけのロケ地でよくある質問Q&A
Q. ばけばけのロケ地はどこ?
A. 小泉八雲旧居、月照寺、宇賀橋、宍道湖、八重垣神社、城山稲荷神社、稲佐の浜、出雲大社などです。
Q. 小泉八雲が実際に訪れた場所は?
A. 松江城、美保関、加賀の潜戸、松江大橋、日御碕、富田旅館跡などです。
Q. 怪談の舞台になった場所は?
A. 清光院(松風)、普門院(小豆とぎ橋)、大雄寺(飴を買う女)、妙興寺、来阪神社(雪女伝承)などです。
Q. ばけばけの街並みのロケ地はどこ?
A. 明治の街並みは京都にある松竹撮影所のオープンセットを主に使っています。
Q. ばけばけで出てくる県庁はどこ?
A. 「島根県庁」として使われたロケ地は、京都府庁旧本館です。
Q. 小泉八雲とはどんな人物?
A. 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治時代に来日し、日本の怪談や文化を海外に紹介した作家です。松江で英語教師として暮らし、妻セツとともに日本の生活を体験しました。
Q. セツはどんな人物?
A. 小泉セツは松江出身で、八雲の妻です。怪談や民話を語り、八雲の創作を支えた重要な存在でした。
この記事のまとめ
『ばけばけ』の舞台は
- 画として映るロケ地
- 八雲が実際に歩いた場所
- 怪談として語られた聖地
この三層が重なってできています。
画面の余韻を、ぜひ現地の風景の中で味わってみてください。
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