この記事では、世界屈指の美食の街と言われている『サンセバスチャン』についてご紹介します。
今回、私はこの街を訪れ地元の人々に混じって味わったピンチョスとチャコリを楽しみながら、バル巡りやミシュラン3つ星のお店に行ってきました。
サンセバスチャンの旅の計画をしている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
サンセバスチャンは『バル天国』

サンセバスチャンといえば、世界の美食家が憧れる場所と言われ、街の中心部には、個性豊かなバルが軒を連ねています。
山や海に囲まれたこの地域は、自然に恵まれた食材の宝庫であり、農業・漁業・酪農と、質の高い第一次産業が盛んなんです。
サンセバスチャンには、旧市街だけで100軒以上、市内全体では200軒を超えるバルが存在すると言われています。

バルとは、スペイン式の居酒屋のような存在で、グラスワインやチャコリ(微発泡の白ワイン)とともに一口サイズの“ピンチョス”を味わうのがスタイル。
お皿を片手に数軒をはしごするバル巡りは、観光としてだけでなく、地元の暮らしの一部でもあります。
お店によっては営業時間や定休日が事前情報と違ったりと、なかなか思うようにはいきませんでしたが、それも旅の醍醐味!
地産地消のバルやレストランが多いことも美食の街の理由の一つで、料理の質がとにかく高いのがサンセバスチャンの魅力です。
サンセバスチャンのおすすめバル
ここでは、サンセバスチャンで実際に行ってみてよかったバルやおすすめのバルをご紹介します。
Bar Sport

サン・セバスチャン旧市街(Parte Vieja)に位置する「Bar Sport」は、地元の人々や観光客に愛される人気バルのひとつです。
Bar Sportは、ピンチョスの種類が豊富で、どれもクオリティが高くて、日本語のメニューがあるのもよかったです。

フォアグラのボリュームに驚き!味も最高でした。

ウニクリームは濃厚で絶品!
Bar Sportは非常に人気が高く、ランチディナーともにいつも混雑しています。
比較的空いている時間帯を狙うなら、朝のオープン直後(9:00〜10:00)がおすすめです。
住所 | Fermin Calbeton Kalea, 10, 20003 Donostia, Gipuzkoa, España |
営業時間 | 09:00~翌01:30 |
定休日 | なし |
URL | 「Bar Sport」公式HP |
Gorriti Taberbna

サンセバスチャン旧市街の中心部の「Gorriti Taberna」は、朝市の近くにあるということもあって、市場関係者をはじめ、地元の人々や観光客に愛される伝統的なバルです。
なんと朝7時から営業していて、朝からピンチョスを食べたい人におすすめのお店です。

アットホームなお店で、ピンチョスを作っている光景も楽しめ、どんどんお酒とピンチョスが進みます。
Antonio Bar

地元の人々や観光客に愛されるピンチョスバー兼レストランです。
1階はピンチョスバー、地下にはレストランを併設。

特に「トルティージャ・デ・パタタス(スペイン風オムレツ)」が人気!
惜しげもなく卵を使用し、キャラメリゼされた玉ねぎと完璧に調理されたジャガイモが特徴のスペイン風オムレツはお酒が進みます。
Borda Berri

店名の「Aquí, Se Guisa」は「ここで料理が作られる」という意味で、その名の通り、注文ごとに丁寧に調理された温かいピンチョスが特徴です。

人気は、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(Carrillera de Ternera al Vino Tinto)。
赤ワインでじっくり煮込まれた牛ほほ肉は、非常に柔らかく、口の中でとろける食感がたまりません!
店内は立ち飲みスタイルでピンチョスを楽しむことができます。
混雑することが多いため、早めの時間帯に訪れることをおすすめします。
ATARI

「ATARI(アタリ)」は、旧市街サンタ・マリアナ教会の前にある超人気店。
美しい教会前のテラス席が特等席。

立ち飲みでなくテーブル席を利用したい場合は予約がオススメです。
フォアグラの鉄板焼きやイカのグリルが人気商品となっています。
住所 | Calle Mayor 18, 20003 San Sebastian Donostia, Spain |
営業時間 | 12:00~翌1:00(金曜翌2:30) 土曜 11:00~24:00、秋冬の火曜休み |
定休日 | 月曜日 |
URL | ATARI 公式HP |
Goiz-Argi

バルの多いサンセバスチャンの中でも、「魚介ならここ!」とリピーターが多いお店で、Goiz-Argiはハズレなしの名店とも言われています。
名物の「ガンバの串焼き」は、ぷりぷりのエビに爽やかなビネガーソースが絶妙で、サンセバスチャンで必食の一皿!
壁のメニューは画像付きや英語での表示があるので、とってもわかりやすいです。
Zumeltzegi

レストラン・ズメルツェギ(Restaurante Zumeltzegi)は、1983年の創業以来、伝統的なバスク料理を提供する名店として知られています。
店内は歴史的な石壁が特徴で、温かみのある雰囲気が漂います。

レストラン・ズメルツェギは、ピンチョスバーとレストランの両方を備えており、バスク地方の豊かな食文化を存分に味わうことができます。
地元の新鮮な食材を使用し、伝統的なレシピに基づいた料理が特徴です。
Ganbara

サン・セバスチャンで人気店のひとつ。
本格的なピンチョスとバスク料理を楽しみたい方には、Ganbaraは外せないスポットのひとつです。

一番人気メニュー「キノコのグリル」は、新鮮なキノコを鉄板で焼き上げ、卵黄を添えた一品で、素材の旨味が凝縮されています。
観光も楽しい、バル巡りの合間に訪れたいスポット
サンセバスチャンはコンパクトな街ながら、歴史・自然・文化のバランスがとれた素敵な街です。
バルの合間に訪れた、印象深いスポットをご紹介します。
サンセバスチャン教会(Santa Maria del Coro)

旧市街の中心に佇む、荘厳なバロック建築の教会。
静けさの中に、ステンドグラスから差し込む光がやわらかく広がり賑やかなバル街とのコントラストが美しく印象的でした。
バル巡りの合間に、ふと立ち寄って心を整える、そんな時間にぴったりの場所です。
ブレチャ市場(Mercado de la Bretxa)

地元の暮らしに触れたいなら、まずはここへ。
彩り豊かな果物やお花などたちが並びます。

また地下に行くと、世界2位の魚の消費国というのも納得、新鮮な魚介類をはじめ、お肉やハムなどが並んでいます。
市場を歩くだけで、この街がどれほど“食”に情熱を注いでいるかが伝わってきます。
モタ城とキリスト像の丘(Monte Urgull)

サンセバスチャンの街を見守るようにたたずんでいるキリスト像。
旧市街の奥から続く坂道を登ると、丘の上の巨大なキリスト像まで行くことができます。

この丘はかつて「モタ城」という城があったということで、丘の上からはサンセバスチャンの街並みとビスケー湾を一望する絶景が待っています。
また、ここからの朝日は絶景です!
ゲタリア(Getaria)

サンセバスチャンからバスで約40分の人口2800人程度の小さな港町。
街にあちらこちらには、新鮮な魚介類が食べられる炭火焼きレストランが立ち並び、昼時になると魚を焼くいいにおいが漂ってきます。
またこのあたり一帯はバスクの白ワイン、チャコリの生産地としても知られています。

この町では魚介料理といえば炭火焼きのことで、どのレストランも店の外にグリル台があります。

オリーブオイルと塩だけの味付けは、新鮮な魚だからこそできる技です。

また、ゲタリアは日本でも人気のバレンシアガの生まれ故郷で、丘の上には『バレンシアガ美術館』もあります。
ミシュラン三つ星レストラン「Arzak(アルザック)」

サンセバスチャンは、サン・セバスチャンは、ミシュランの三つ星レストランが多いことで知られています。
そのうちの1つ、ミシュラン三つ星を長年維持し続けるレストラン「Arzak」は、旧市街地からバスで15分ほどの場所にあるレストランです。

伝統と革新が同居するこのレストランでは、一皿一皿がまるでアートのように提供され五感すべてで“味わう”という体験ができます。
ドレスコードなども特になく家庭的な温かさもありつつ、とても丁寧な料理とサービスに感動しました。
バル巡りを楽しむためのポイント

実際にバル巡りをしてみて感じたこと、知っておいてよかったことをまとめてみました。
一軒あたりの滞在は短めが基本
サンセバスチャンのバル巡りは、「1軒でしっかり食べる」のではなく1軒につき1~2品+1杯を楽しんで、次の店へ移動するのがスタンダードです。
実際、滞在時間は10分〜20分ほどでした。
それくらいのテンポ感がちょうどよく、味の違いやお店の雰囲気を比較するのが楽しいと感じました。
注文はカウンターで、指差しでも大丈夫
基本的にはカウンターで注文します。
ガラスケースに並ぶピンチョスを指差してオーダーするのが一般的で、スペイン語やバスク語が話せなくても、指差しと笑顔で十分通じました。
調理が必要な温かい料理は、注文後に調理してくれます。
お会計は食後にまとめて
お会計は、最後にまとめて支払うスタイルが一般的です。
自分が行ったバルのほとんどは、スタッフがしっかり把握していて「チェックプリーズ」や「ラ・クエンタ ポル ファボール」でスムーズに対応してくれました。
なお、旅行前に「現金が必要」という情報も見かけましたが、実際に回ったバルでは、すべてクレジットカードで支払いができました。
ただし、念のため少額のユーロを持っておく方が安心です。
チャコリは注ぎ方にも注目

バスク地方名産の微発泡白ワイン「チャコリ」。
現地では、ボトルを高く掲げてグラスに注ぐ独特のスタイルが見どころにもなっています。
ちなみに、高い位置から注ぐ目的は、泡立ちをよくし、酸味を抑えるためなんだそうですが、パフォーマンスとしても目を引くので、初めて見ると楽しいです。
軽やかな飲み口で、魚介類、肉料理どんなピンチョスにも合わせやすい味わいでした。
荷物の管理には注意しましょう
サンセバスチャンは比較的治安がいい街ですが、やはり手荷物の扱いには気を付けておきましょう。
特に混雑する時間帯は、立ち飲みの時や足元に荷物を置いていると、うっかり蹴られてしまったりまたスリにある可能性もゼロではありません。
またバル巡りでは、両手が自由に使えて、身軽に移動できるスタイルがスリ対策にもバル巡りにもすすめです。
私自身は、バルでは食事中でも常に斜めがけのショルダーバッグを手前に持つようにしていました。
せっかくの楽しい旅行も盗難やスリにあうと台無しになってしまうので、いくら治安がいい街でも最低限の対策はしておきましょう。
サンセバスチャンへのアクセス
サンセバスチャン(現地名:Donostia)はスペイン北部、バスク地方に位置する海沿いの街です。
周辺には大きな空港がないので、しっかりとアクセスを調べた上で旅も計画をたてましょう。
この記事のまとめ
サンセバスチャンの街は、世界屈指の美食の街と言われているのも納得な街でした。
店ごとに味も雰囲気も違い、1軒ずつ巡るたびに、料理との出会い、人との距離感、その場の空気まで楽しめるそんな食の楽しみが体験できます。
目的は「食べること」だけでいい!
そう思わせてくれる場所が、サンセバスチャンだと思います。
今回ご紹介したバルやスポットを参考に、サンセバスチャンの旅を楽しんでくださいね。